Sectors / ProductsBrewing【実績紹介】ビール醸造施設
日本のクラフトビールを代表する軽井沢ブルワリー。ここでも、三宅ブランドの醸造設備が活躍しています。2017年の増産設備の実現で、より多くのビール愛好者に人気のTHE軽井沢ビールをお届けできるようになりました。
お客さまのご要望は
「いままでの2倍のビールを製造したい」
2013年6月に開業し、浅間山の名水で仕込んだTHE軽井沢ビールを醸造する軽井沢ブルワリー様。国内クラフトビール業界で最大規模、最新の設備を持つこの工場は、仕込みの香りや音、温度も感じることのできるアミューズメント性の高い体感見学もあり、人気の観光スポットとして知られています。
開業当初の醸造設備はドイツ製メーカーの製品が使用されていましたが、2015年に増産が計画された際、上記のドイツ製メーカーとの競合の末、当社の醸造設備が導入されることになりました。もともと1回の製造で6klのビールを製造できる設備でしたが、「いままでの2倍の12klを一回で製造できる設備が欲しい」というのがお客さまのオーダー。さらに当社では、オートメーションシステム導入による省人化も提案。万一のトラブルやメンテナンス面でも即対応できる当社の機動力も高く評価され、2016年受注となり、2017年に完成となりました。
オーダーメイド製品を中心に
ニーズに応える仕様を実現
当社が担当したのは、原料粉砕、仕込(糖化、濾過、煮沸・清澄設備)、発酵・貯酒、ビール濾過までのプロセスの製造設備およびそれに関連するユーティリティ設備(主に既存設備の増強)です。
原料粉砕機(Künzel社製)、ビール濾過器(Filtrox社製)については他社製品を導入し、当社にて組み立てを実施。他社製品においても、当社ですべてメンテナンス可能なのが強みです。
それ以外の設備は、当社独自のカスタムメイドによる製造です。糖化釜(マッシュパン)、糖化槽(マッシュタブ)の攪拌装置については、攪拌ムラができにくく、内容液にストレスがかからないよう大型の羽根を装備。濾過槽(ロイタータブ)については、重要なパーツである濾過網も当社で製作。網のスリット断面に特殊な機能を持たせ、固形分を通しにくく液体は通る構造を実現しています。
プロセス製造設備を一括で作りあげる
国内唯一の技術力
煮沸釜(ウォルトパン)については、槽内に麦汁煮沸を行う多管式熱交換機(ローレンコッファ)が装備されていますが、こちらについても自社製造を実現。また清澄槽(ワールプール)は底が緩い逆円錐形状とし、外周部に溝をつくるなど、清澄な麦汁を獲得する工夫を実践しています。発酵タンクは内面を鏡面仕上げしており、製薬会社用のタンクに通用する当社独自の研磨技術を実現するなど、随所に三宅ブランドならではの技術力が息づいています。
ビール醸造のプロセス製造設備を一括で請け負えるのは、当社が国内唯一。受注生産のため、それぞれの設備の形状や配置に自由度が高く、お客さまのニーズ通りの製品づくりが可能です。こうして軽井沢ブルワリーの増設では、当社の強みが十分に活かせることとなりました。納入後のメンテナンスや万一のトラブルへの迅速対応も当社の強みです。
お客さまからは、「基本的にフルオートメーション化できたため、作業が飛躍的に楽になった」「機械を停止せず製造できるようになったので、味の変化が起こらず、品質の均一が図れるようになった」「製造量を高めることができ、より多くの方にビールをお届けできるようになった」と感謝の声をいただきました。